⽵内紙器製作所 専務取締役の堀⽊淳⼀さんにインタビュー①
堀⽊さんはたくさんのサンプルの箱を⾒せてくれながらお話ししてくださいました。
●⽵内紙器さんの箱
かつては下駄を買う時に⼊れた箱を製作していたと聞いています。現在のメインは和菓⼦屋さんや煎餅屋さんの箱です。これは芯材の周りに紙を貼って作った貼箱(はりばこ)といいます。他には針⾦で留めた箱もあります。
基本的に受注⽣産です。唯⼀、東京のRoundabout(ランダバウト)さんというセレクトショップにオリジナルプロダクトのMonjoとStapledという2商品が置いてあります。
●最初はシール印刷
⾃分が⽵内紙器に⼊った当初はシール印刷を担当していました。作っていたシールは⾝近なものでいうとスーパーの割引シールです。シール印刷はゴミが多く出ます。製作の過程でもカス(不要な部分)が多く出るのに、お客さんがシールを貼り終わったら台紙もゴミですし、割引のシール⾃体も最終的には捨てられるものです。毎⽇遅くまで仕事をしているのに「俺はゴミを作っているの?」となんだかとても虚しさを感じました。
これからは量産ではなくもっと付加価値のあるものをやらないと無理だと、当時のシール担当者(今の⼯場⻑)と⼆⼈で話していました。
●箱は気持ちを伝えるツール
そのような⽇々を過ごしていたときに、たまたま嫁さんの誕⽣⽇がきました。何をしようかと考えているうちに、⾃作の⼩さなアクセサリーを⼤きな箱に⼊れて渡すことを思いつきました。そのことを考えているときに久々にテンションが上がり、箱は気持ちを伝えられるツールになるのだなと気づきました。
最終的にゴミになるようなものを作るよりも、⼀⼈でも喜んでくれる⼈がいるものを作ることに意味があると思いました。そしてシールから箱の⽅にシフトしたいと思ったのです。
●箱への思い
⼀般的な貼箱は外が⾊付きで中が⽩⾊でした。その⽩⾊が⼩さい頃から嫌いでした。理由は⾃分が苦⼿な蛍光灯の⾊に似ていたからです。また、外側だけ綺麗で中が適当というふうにも⾃分には⾒えました。
インターネットでものを買うことが普及し始めた2000年に、これから1個からでも箱を作れるお店をやりたいと思いました。古着屋さんのようにそこに⾏かないとものが⾒られないようなお店です。当時そのようなお店がもう既にありました。PAPIER LABO.(パピエラボ)さんです。
その年の夏にお客さんとしてパピエラボさんを訪れました。そこで店主と仲良くなり、シール印刷や箱を作っていることを伝えました。お話していくうちに「箱を作りたい」と⾔われ、そこがスタートになりました。⼀般の貼箱屋さんにはやりたいことがなかなか伝わらないことがあるけれど⾃分はそこら辺をあまり⾔わなくてもわかる、ということだったと思います。しかもお互い好きな紙が近かったのです。
今回は、⽵内紙器製作所さんの現在のような箱作りへのきっかけをお話しいただきました。
次回インタビュー②は、堀⽊さんが考える「ものづくり」についてのお話です。お楽しみに!
⽵内紙器製作所 専務取締役の堀⽊淳⼀さんにインタビュー①
堀⽊さんはたくさんのサンプルの箱を⾒せてくれながらお話ししてくださいました。
⽵内紙器製作所 専務取締役の堀⽊淳⼀さんにインタビュー②
箱は気持ちを伝えるツールになると気づいた堀⽊さん。今回は「ものづくり」にかける想いを語っていただきました。
⽵内紙器製作所 専務取締役の堀⽊淳⼀さんにインタビュー③
箱作りのお仕事をする前に、役者をされていた堀⽊さん。今の考え⽅の原点となる役者時代のお話を聞かせてくださいました。